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ネット通販比率を高めすぎると実店舗の売上高は減る 〜バランスをとることが重要

by Mitsuhiro Minami on Oct 24, 2017 9:00:00 AM

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photo by hans s


業界を通じて見れば、洋服販売の不振が続いています。とくに一部を除いては各社・各ブランドともに実店舗での販売が苦戦しているといえます。繁盛店はほんの一握りにすぎません。その一方でインターネット通販は市場規模が拡大しており、ついに15兆円を突破しました。10年前から比べると市場規模はおよそ5倍に拡大しています。

これを見て、猫も杓子も「ネット通販の強化」とか「オムニチャネル強化」「ネット販売比率の向上」を当面の目標に掲げていますが、それは果たして得策といえるでしょうか?もちろん、実店舗が苦戦している傾向では強化すべきです。しかし、結論から言ってしまうと、際限なく強化しすぎれば実店舗の売上高がさらに減る可能性があります。バランスを見ながらの強化が重要だと思います。

インターネット通販の成長が、実店舗の売上高を奪う

昨年からアメリカのアパレルブランド各社や百貨店の凋落と大規模閉店が報道されています。シアーズ、メイシーズ、Jクルー、アンソロポロジー、アバクロなどなど。アメリカンアパレルは倒産しましたし、先ごろ、かつて日本でも一時的に大ブームとなったジーンズブランドのトゥルーレリジョンも倒産しました。これらの原因の多くは、Amazonをはじめとするインターネット通販の成長によるものだとされています。

インターネット通販の成長は、実店舗の売上高を確実に奪っていったのです。考えてみれば当たり前です。人々の収入は限られているのですから、どこか1か所で多く使えば、その分、他での買い物額を減らします。そうでなければ確実に貯蓄を減らしてしまい、下手をすると破産してしまいかねません。

日本に比べるとクレジットカード大国で、破産する人が多いといわれるアメリカですが、だからといって無制限に使う人ばかりでもありません。どこかで多く使えばその分、他での支出を減らします

アメリカで起きたことは、たいていの場合、まったく同じとはいえませんが何年か後にも日本で似たような現象が起きます。近い将来、インターネット通販が成長し過ぎて実店舗が大量閉店するという事態に日本もなるのではないかと考えらえます。もっとも5年くらい前から大手アパレルの大量閉店や地方百貨店の閉店などが日本でも相次いでおり、「アパレル不況」という状況は、要因は異なる部分が多いですが、日米が同時に突入してしまっているともいえるのかもしれません。

 

インターネット販売比率が高い=優秀な経営?

現在、我が国のアパレル、小売業界ではインターネット通販比率をどれだけ高めるかが経営のトレンドとみなされている風潮があります。比率を10%にすることは当たり前で、30%くらいを目指すのが優れた経営だと思われています。実際に、ユニクロを運営するファーストリテイリングもインターネット通販比率を30%にまで高めることを中期的目標として掲げています。

インターネット通販を強化することは必須だと考えますが、販売比率をやみくもに高めるのが優れた経営であるかのような風潮には疑問を覚えます。

ユニクロのインターネット通販比率は現在6・2%にすぎず、実際の商売に疎い評論家やアナリストはこれをもって「ユニクロの弱点だ」と主張していますが、これは勘違いも甚だしいといわねばなりません。ユニクロのインターネット売上高はすでに420億円くらいに達しており、単独のアパレルブランドとしてはインターネット通販部門でもダントツの1位だからです。いくら、他のブランドが「インターネット通販比率を10%に乗せました」といったところで、元となる売上高自体が低いため、ユニクロの足元にも及ばないのです。

逆にユニクロは、今後インターネット通販比率が30%にまで高まれば、実店舗の数は大きく減少することになるでしょう。

アメリカは良くも悪くも日本よりも先行した部分がありますので、アメリカの現状を見ていれば実店舗とネット通販の両方で売上高が伸び続けるというのは、幻想にすぎないことが理解できるはずです。

「実店舗は無くなっても良い。その分、ネット通販で稼ぐ」。これくらい思い切った考えなら別ですが、実店舗をある程度は維持したいと考えるなら、くれぐれも両方のバランスを取りながら運営することが重要だということを忘れないでいてください。

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