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商品そのものの良さを伝えてから、素材を語ろう 〜使用素材で勝負すれば価格競争に巻き込まれます

by Mitsuhiro Minami on Feb 14, 2017 9:00:00 AM

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photo by *LollyKnit*


昨年話題となったことの一つは「ハリスツイード」を使った商品が100円均一ショップのダイソーで販売され始めたことです。「ハリスツイード」とはなにか というと、英国のスコットランド北西部のハリス&ルイス島の島民たちが自分の家の織機で、織ったツイード生地のことです。そして完成した生地をハリスツイード協会という団体を通して、ハリスツイードというブランド名で販売しています。

この「ハリスツイード」は本来「高級生地」として広く認知されてきました。国内の数多くのブランドもこの「ハリスツイード」を使って、ジャケットやコート、バッグ類を企画製造してきましたが、いずれも高額品 に属します。例えば、ハリスツイードのジャケットはブランドによって価格が異なりますが、最低でも4万円くらいはします。高ければ10万円以上にもなりま す。そういう高級生地が、ダイソーで販売されているから多くの人が驚いて話題にしました。

高級生地を使った商品を低価格で販売できる理由とは?

ダイソーで販売といっても100円ではありません。調べた範囲だと小さいポーチが500円、大きいポーチが600円、手袋が900円でした。ですからダイソーにしては高額品(笑)といえますが、通常のブランドが販売している価格に比べるとはるかに低価格品となります。

ダイソーに先んじて、しまむらでもハリスツイードを使ったスニーカーやリュックが販売されましたが、これもだいたい3000円とか4000円くらいで、服飾雑貨品の中では低価格に分類される値段帯となります。この時も多くの人が驚きました。

なぜ、本来は高級品となるハリスツイードがこんなに低価格で販売できるのかというと、商品1個あたりに使用している生地の量が少ないことと、ハリスツイード協会の管理が甘かったことが挙げられるのですが、協会の管理の甘さについての詳細は割愛します。

仮に1メートルあたり3000円の生地だとしても、10センチしか使わなければ商品1個当たりの生地代300円にしかなりません。

 

「しまむらなら3000円なのに」

今回話題にしたいことは、ダイソーやしまむらのハリスツイード商品のコスト構造ではありません。しまむらにハリスツイードを使った商品が登場するまでは、多 くのブランドや店は「ハリスツイードの商品であること」を最大のセールスポイントにしてきました。ハリスツイードは高級素材とされ人気があったからです。 「ハリスツイードのジャケット〇万円」とか「ハリスツイードのコート〇〇万円」とかそういうことを強調していれば、売れやすい状況でした(とくに男性には)。

しかし、しまむらでハリスツイードを使った商品が売られ始めるといささか雰囲気が変わり始めました。とくにオバサマ世代は価格に非常にシビアです。実際に、知り合いの販売員さんも「しまむらなら3000円なのに、この店のはこんなに高いんですか?」といわれたことがあるそうです。先ほども少し説明したように原価構造が異なりますし、あとは生産数量の多寡も関係してきますから、値段が異なるのは当たり前なのですが、そこまでの情報を消費者は持っていませんし、業界側も告知してきませんでした。しまむらよりもさらに安い商品がダイソーに登場した昨年はそういう声が店頭で一層多く聞かれたのかもしれません。

 

「素材ブランド」を過度に販促ポイントにする危険性

アパレルブランドやアパレルショップに多いですが、ハリスツイードに限らず、「素材ブランド」を過度に強調しての販促は危険だということです。ハリスツイードで見てもわかるように必ずしまむらやダイソーと比べられ、「不当に高い」という評価を下されま す。今回は例としてハリスツイードを提示しましたが、これはほかの素材でもいえることです。

例えば、日本製のデニム生地は高級だといわれています。その中でもカイハラという会社が製造したデニム生地は有名です。国内外の様々なブランドが使用してきました。しかし、ユニクロもカイハラのデニム生地を使っています。ユニクロのジーンズは3990円です。他のブランドのカイハラデニムを使ったジーンズは少なくとも8000円くらいはします。ブランドによってはもっと高額になり1万円、2万円という商品も珍しくありません。

各ブランドがもし「カイハラ社のデニム生地を使ったこと」を最大限のセールスポイントとして掲げていたらどうなるでしょうか?ハリスツイードと同じように「ユニクロなら3990円なのに?」と必ず質問されます。

お判りでしょうか?

 

「カシミヤだから3万円です」という売り方は通用しない時代

ファッ ション業界には様々な素材ブランドがあります。そしてこれまで「〇〇素材使用だから高額になりました」という売り方が非常に多く、またそれで売れ行きも好調でした。しかし、今回のハリスツイード以外にも高級素材を使った低価格商品が数多く販売されるようになっています。カイハラデニム生地もそうですし、カシミヤセーターもそうです。カシミヤセーターはユニクロを筆頭とする低価格ブランドで9900円前後で売られています。これまでのように「カシミヤだから3万円です」という売り方はちょっと通用しなくなりつつあります。

高級素材といえども、安く使うための方法はいくらでもあります。ダイソーのように1個当たりの使用量を減らすとか、ユニクロのように100万枚単位で作ることで1個当たりの製造原価を下げるとか、その手法はさまざまです。 しかし、工夫次第では高級素材を使った低価格商品を作るということは実現可能な世の中になっています。まだ高級素材はいくつもありますが、どれもいつ低価格化されてもおかしくありません。

そういう状況下にあって、「素材ブランド」を真っ先にアピールすることはリスクを伴います

まずは商品の色・柄・デザイン・シルエット・使い勝手の良さ、これらを真っ先にアピールすべきで、素材ブランドはその次で十分です。商品そのものの良さをお客様にお伝えして、そして最後に素材ブランドを伝えるくらいがちょうど良いのではないでしょうか?


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Categories: 顧客ロイヤルティ

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